
ゲルに宿泊させてもらい、馬やラクダに乗ってきました!
お盆休みを利用して、活気溢れる首都ウランバートルを起点に、古都カラコルムや果てなき草原のゲルを巡る7泊8日の旅に行ってきました。

※今回の記事内容は2025年8月時点のものになります
モンゴルは思ったより近い!(飛行機について)
ドラマ「VIVANT」で見たスケールの大きいあの風景は遠い世界の話だと思っていたけれど、成田⇔ウランバートルは直行便で約5時間半。意外と手軽に行けるんですね。

モンゴルは直行便があるのか!
直行便
MIATモンゴル航空/Aero Mongolia/ユナイテッド航空(季節運航)が、成田⇔ウランバートル間を5時間~5時間半で運航しています。
週や季節によって運航日は変更しますが、冬以外はほぼ毎日、冬でも週2~5便あるようです。
また、関西空港発着のMIAT便(週2便程度)もあり、関西圏からも直でアクセス可能です。
経由便
ソウル経由なら、LCC(Jeju Air/T’way/Jin Air)の活用で、航空券代を抑えることができます。

我々は今回、半年前に予約したMIATモンゴル航空の成田発直行便を利用しました。






モンゴルでの「現地ツアー」と「持ち物」
8月中旬、7泊8日のモンゴル旅で、私たちが参加したツアーはこの3つ!
- カラコルム・ゲル宿泊 2泊3日ツアー (1人約6万円)
- テレルジ 日帰りツアー (1人約6000円)
- ホスタイ国立公園 日帰りツアー (1人約13000円)
我々はこれら3つのツアーを「GET YOUR GUIDE」から申し込みましたが、各ツアー詳細ページに書かれている「催行会社」をGoogle検索して、そこから直接ツアーを申し込むと、さらに安いという話も現地で聞きました。
1. カラコルム・ゲル宿泊 2泊3日ツアー
「ウランバートル発:中央モンゴルガイド付き3日間ツアー」というのが、「GET YOUR GUIDE」での名称でした。
だいたいのスケジュールはこんな感じです。
<1日目>
9時 ウランバートルのホテルへピックアップ
11時 郊外のスーパーで、水など必要なものを買う
12~14時 パーキングエリア的な店でランチ
17時 カラコルム着 博物館や街を一望できる丘を訪問
19時 キャンプ用ゲルに到着
20時 キャンプで夕飯、その後モンゴル伝統音楽のショー
<2日目>
7時半 キャンプで朝食
9時 エルデネ・ゾー(チベット仏教僧院)見学
12~13時半 パーキングエリア的な店でランチ
15時 ラクダに乗って砂漠を散歩
16時 Erdene Khamba Monastery(修道院)見学
17時 宿泊させてもらう遊牧民のゲルに到着
18時 遊牧民の馬に乗って辺りを一周
19時半 遊牧民のゲルで交代で夕飯
<3日目>
8時 遊牧民のゲルで交代で朝食
9時 ウランバートルへ
12~13時半 パーキングエリア的な店でランチ
17時 ウランバートルのホテルへ
ガイドさんの言語は英語です。日本語ツアーよりリーズナブル。

世界中の人が参加するので、思いがけないことが起こりやすいし、やっぱり安いのは魅力!
英語はある程度理解できた方が良いですが、ほとんど話せないという人も参加していました。周りに助けてもらったり、翻訳アプリを使ったり、ということができて楽しめるなら、英語が分からなくてもオススメです。

ちなみにこの時期はお盆だったので、半分以上が日本人のツアーでした。辺境の地ということもあって日本人全員意気投合!
日本語のツアー会社「ツォクト」のプランだと英語ツアーより確かに少し高いですが、ホームページの作りや提供されている情報を見た感じ、日本人的きめ細やかな対応をしていただける気がします。
日本語でモンゴルについて調べるとこちらのツォクトさんが発信されている情報に辿り着くことがあり、大変参考になりました。

広大な空と大地の中で、日の入りや日の出、星空や地平線を眺めるのは、贅沢な非日常時間でした。
ゲルでの宿泊と、気になる“トイレ問題”について
観光客向けのキャンプ用ゲルにはシャワーや水洗トイレがついていることが多いですが、遊牧民のゲルにはシャワーはなく、トイレも水洗式ではありません。
- ゲル1つにつき5台のベッドがあり、基本的には他のツアー客と同部屋。
- ゲル内に1つコンセントがあり、交代でデバイスの充電可能。
- 満員時で約70名が宿泊できる規模だったが、シャワーブースは4つのみ。
- シャワーは、お湯が出ることもあるが、タイミングによって水しか出ないことも。
- トイレは水洗で男女4つずつ、手洗い場も4つ。
- ahamoの海外ローミングはつながりにくいこともあるが、全く繋がらないことはなかった。Wi-Fiもある。
※キャンプによって設備は異なると思いますし、どこのキャンプになるかは事前に分かりません
当然シャワーは利用者が集中すると順番待ちになります。
また、「20分待てばお湯が出る」という噂もありましたが真相は不明。ヨシ夫の時はぬるいお湯、ヨシ美のときは残念ながら水でした。夜は気温が10度以下まで下がるので、お湯が出ないとなかなかの滝行になります。

- ゲルは、遊牧民家族用1つと客用が4つ。食事は遊牧民家族ゲルで作られ、そこで交代でいただく。
- 客用ゲル1つにつき4~6台のベッドがあり、基本他のツアー客と相部屋。
- 客用ゲル内にアナログな手洗い場があり、手洗い用の水も支給してくれた。
- 客用ゲルにコンセントはない。
- スマホはどこの会社もほぼ電波なしだが、小高い岩山に登ったりすると時々繋がる。
- トイレはいわゆる「ぼっとん便所」。全体で個室が1つだけ。
- 8月でも夜~朝は冷えるので、夜少しだけストーブを付けてくれて、朝まで温かかった。
※ゲルによって設備は異なると思いますし、どこの遊牧民にお世話になるかは事前に分かりません

遊牧民のゲルでのトイレは、深い穴の縁に板が渡されていて、四方をトタンで囲んでいる感じです。20名ほどの客やガイドがいましたが、個室1つのみです。
割と深く掘られていて、ちゃんと鍵が掛かる個室になったので、「想像していたより大丈夫だった」と女性の参加者が話していましたし、私たちもそう思いました。
ゲルから少し離れた場所に設置されていたこともあり、夜間の使用には登山用ヘッドライトが便利でした。

遊牧民ゲルではスマホの充電ができないので、スマホのライトはむやみに使えないんです…

また、水は最低1リットル/1人1泊、を準備しておくべしです。ウランバートルを離れる際にスーパーや売店に立ち寄ってくれるので、そこで必ず調達しておきましょう。
2. テレルジ 日帰りツアー
テレルジ国立公園送迎 /ベストプライスツアー、というのが「GET YOUR GUIDE」での名称でした。
だいたいのスケジュールはこんな感じです。
9時 ウランバートルデパートでピックアップ
9時15分 ボグド・ハーン宮殿博物館 見学
10時 ザイサン・トルゴイ 見学
11時半 チンギス・ハーン像テーマパーク(巨大な銀の像)見学
13~15時 亀石 散策
15時15分 アリヤバル寺院(瞑想寺)見学
18時 ウランバートル着
ツアー参加者7名に対して、モンゴル語しか話せないモンゴル人ドライバーのみ。
基本的には日帰りツアーはモンゴル語のみ対応のドライバーが同行し、宿泊ツアーでは英語を話すガイドとドライバーがセットで同行する、という形が多いようです。
当たり前ですが、ドライバーさんのタイプもさまざまで、
- 「モンゴル語のみ」と記されていても、英語を話せる方
- モンゴル語だけしか話さないけれど、身振り手振りや翻訳アプリでコミュニケーションしてくれる方
- モンゴル語だけしか話さず、運転に徹する方
という感じです。

このテレルジ日帰りツアーは「モンゴル語だけしか話さず、運転に徹する方」でした。

いくつかの観光地を巡る内容でしたが、「○時までにこの場所に集合」という案内がなく、翻訳アプリでドライバーさんに尋ねても曖昧な返事しか返ってこないので、観光客同士で連絡を取り合いながら集合していました。

英語でしっかり説明してくれるガイドもありがたいですが、こうした“放任スタイル”もモンゴルらしさが感じられ、同じツアー客と一体感を持てたのは新鮮でした。

なお日帰りツアーは、特に記載がない限りランチの立ち寄りはないようです。
途中に売店はありますが、積極的に開店していなかったり、お菓子や大袋ファミリーサイズのパン程度しか売っていないので、事前に軽食を準備しておくのがおすすめです。

そして施設の入場料がツアー代に含まれておらず、通信の不具合か何かの理由で支払いが現金のみのことがあったので、現金も持参した方が良いです。


3. ホスタイ国立公園 日帰りツアー
ホスタイ国立公園への日帰りツアー、というのが「GET YOUR GUIDE」での正式名称でした。
だいたいのスケジュールはこんな感じです。
8時 ホテルでピックアップ。舗装された道路1時間、未舗装道路1時間を経てホスタイへ。
10時 ホスタイ国立公園着。30分ほどトイレとお土産タイム
10時半~13時半 公園内をドライブ。モルモットやタヒ馬などを見付ける
14時 周辺の遺跡を散策しつつ、ウランバートルへ向かう
17時 ウランバートル着

このツアーは他に参加者がおらず、YOSHI家のプライベートツアーになりました。
また、ドライバーさんの言語は「モンゴル語のみ」ということでしたが、英語がペラペラで色々とモンゴルについて教えてくれました。日本のアニメが大好きという親日の学生さんでした。

こちらもランチの立ち寄りがないので、手持ちの食料で簡単に済ませました。

・水 ゲル宿泊時は最低1リットル/1人1泊 ※直前のスーパー、レストランなどで調達可
・ポケットティッシュ(トイレ用) ※ポケットやポーチで肌身離さず携行。多めに。
・ウェットティッシュ ※できれば常に携行。多めに。
・登山用のヘッドライト 遊牧民ゲル宿泊時にあると便利
・菓子パンやカロリーメイト系の食料(日帰りツアーの昼食、ゲル宿泊時のお供に)
・現金は5000円分ほどあると安心
モンゴルでの移動
噂通り、ウランバートルは常に渋滞でした。
ウランバートルの交通事情
モンゴルの人口の約半数171万人と車がウランバートルに集中している一方で、道路・交通の器が追い付いていないのが渋滞の原因です。
地下鉄などの都市鉄道がなく、バスも優先・専用レーンが機能していないので、30分程度なら徒歩を選択した方が早く着きます。

救急車両は困るだろうな…

タクシー配車アプリ「UBCab」
それでもタクシー配車アプリ「UBCab」を何度か利用しました。白タクですが料金は明朗ですし、座れるのでちょっとした休憩にもなります。
市内の乗車で500~1000円程度。クレジットカードの登録が出来なかったので、降車時に現金精算していました。
渋滞でこちら指定の場所まで来れないこともよくあり、ドライバーからメッセージや電話で「○○の駐車場まで来て!」などと新たな待ち合わせ場所を指定されることもあります。
プリウス(TOYOTA)が多い
街を走っていた車はTOYOTAが圧倒的に多かったです。中でもプリウスはよく見かけました。
冬は-40度にもなる寒冷地なので、プリウスの強いエンジンが一番良いそうです。
日本と逆の右車線走行ですが、中古車なので右ハンドルのまま使用されています。
片側一車線の幹線道路で彼らは抜きつ抜かれつを頻繁に繰り返すのですが、右ハンドルで左側から追い越しを試みるのでなかなかスリリング。左後ろに座る私も、「ダメ!対向車来てる!」「今です!」と自然と協力体制に入りました。

幹線道路はところどころ舗装されていない箇所があって超揺れることもあります。ドライバーさんは「モンゴル式マッサージだよ!」と笑っていました。
ウランバートルで宿泊した「スプリングスホテル」

ゲルツアー以外の5泊は、このホテルにお世話になりました。
スフバートル広場から徒歩5分ほどの好立地にあります。

部屋の設備やアメニティなどは申し分ありませんでした。








モンゴルで食べたもの

ウランバートルにはモンゴル料理店は少なく、韓国、日本、中華料理店が多かったです。
でもせっかくなので、なるべくモンゴル料理やモンゴルでしか食べられないものを食べてきました。
「モダン・ノマズ」高級モンゴル料理レストラン



揚げ餃子の中身はホルモンが入っているものを選びました。ミルクティスープはミルク感強めだけど優しい味わい。
あと焼うどんのような麺とビールを注文しました。どれも美味しかったですが、2人で4品だとかなり量が多かったです。

お会計は195,570トゥグルグ≒8000円ぐらい。
たまたま不具合だったのかもしれませんが、QRコード注文は翻訳できなかった上にモンゴル語でも注文確定ができなかったので、ウェイターさんとコミュニケーションを取りながら注文しました。
「ザ・ブル」羊肉しゃぶしゃぶ
一人一鍋の羊肉しゃぶしゃぶ。人気店で混雑しています。


スープは6種類から選べ、付けダレは醤油系とゴマダレが用意されています。パクチーや辛子などの薬味との相性も抜群で安定の美味しさ。
モンゴルでは野菜が獲れにくくて価格が高いせいか、レストランで提供される種類や量が少ないので、このたっぷり野菜は嬉しかったです。
「Khokh-Uur Airag Zoog」馬乳酒
「アイラグ(馬乳酒)を飲める店」をAIに聞き、導かれた店です。





ちなみにGoogleレンズの翻訳機能を使っても、写真以上の情報としては「どうやらこの足は羊肉である確率が高い」ぐらいのことしか分からない。



この店に限らずどこの店のメニューでもモンゴル語⇒日本語の翻訳は崩壊気味で、多くの想像力で補う必要がありました。
ただ、注文した食事はとても美味しかったですし、内装もオシャレでした。


「コーカサス・レストラン」コーカサス料理
珍しいコーカサス地方の料理をいただきました。
コーカサスは黒海とカスピ海の間にあるアゼルバイジャン、ジョージア、アルメニアあたりですが、今回注文した下の3品は全部ジョージア料理だったようです。



パーキングエリアのレストラン
宿泊ツアーの道中では、パーキングエリア的なレストランに連れて行かれてランチを食べました。
やはり羊肉や牛肉が中心で、チキンや豚肉は売切れていることが多かったです。





ゲルでいただいた食事
キャンプ用ゲル、遊牧民ゲル、それぞれ1ディッシュメニューをいただきました。





その他、気付いたこと
気付いたことを残しておきます。
ウランバートル市内のトイレについて
ウランバートルの街中なら、日本と同じくらいの頻度で公共トイレを見つけられます。ただし、ちょっと勇気が出ないほど汚れていたり壊れていたりして使えないこともしばしば…。
注意したいのはトイレットペーパー事情。使った紙は流さずゴミ箱へ。空港やホテルでは紙がありましたが、公共のトイレでは置いてないことが多いので、必ず自分でトイレ用の紙を持っていきましょう。

ゴミ箱に捨てるので、ポケットティッシュでOK!
手を洗えるとは限らないので、ウェットティッシュもマストです。
文字について
モンゴルは地理的にロシアと中国の影響を大きく受けていて、例えば、現在モンゴルではロシア語と同じキリル文字を使っています。
伝統的なモンゴル文字は、1940年代に旧ソ連によって表音文字としてキリル文字に置き換えられました。読みやすさから識字率が上がり、タイピングにも適しているため利便性は上がったようですが、近年は伝統文字復活の動きがあり、公文書はモンゴル文字を併用する方針も発表されています。

オボー
道の分岐点や丘の上などでよく「オボー」を見掛けました。
石や木や動物の骨が積み上げられ、突き刺さった棒に布(青が多い)が巻かれている「聖なる塚」。
シャーマニズムとチベット仏教がまじりあった信仰で、山や空や土地の精霊を祀り、旅の安全を祈る場なのだそうです。


車のフロントガラス上部やルームミラー付近に青く細長い布が挟まれていることもありましたが、これもオボーと同様、道中の加護・幸運を願う護符の意味があるとガイドさんが話していました。
お札の区別ムズすぎ
モンゴルの通貨トゥグリグの相場は、2025年8月現在、1000Tg≒41円。
例えば5万円分両替すると120万Tgとなり、結構な枚数の紙幣を所持することになります。コインはほとんど流通していないらしく、一度も見掛けませんでした。

紙幣は1Tg札から2万Tg札まで11種類あるのですが、高額券はチンギス・ハーン、低額券はスフバートルの肖像画が描かれています。左上にうっすら算用数字がありますが、ぱっと見は高額か低額かの区別しか付きません。初見殺しです。

YOSHI家反省会
トイレがあんまりないらしい!、情報が少ない!、電波が届くか心配!、と旅行前にバタバタ焦りましたが、意外と、

まあ、事前に備えて気構えしておけば何とかなるか
と思いました。
もちろん、先人たちによって安定的に供給されているこれらの都市文明のありがたさも存分に感じました。

値札がない売店では計算機で価格を提示してきますが、客や時間や店主の気分で価格が数十円程度変動します。意図的なのか適当なのかは分かりません。

モンゴル式ダイナミックプライシングやな!

一度行っただけでは分からないことばかり。「VIVANT」続編が2026年に始まったら、また行きたくなるだろうな。
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