2024年のゴールデンウィークに、ドイツの都市を周遊しました。
前年の同時期に訪れたイタリアの都市と比べてずっと観光客が少なく、価格もめちゃくちゃな高騰はしていなくて、とても快適に過ごすことができました。
ドイツ・ミュンヘンは、ビールが美味しいだけじゃない!
※今回の記事内容は2024年5月時点のものになります
ミュンヘンでの交通機関
ドイツでの移動の味方!「DB Navigator」アプリ
ミュンヘンに限らず、ドイツ旅行をする際は「DB Navigator」というドイツ鉄道の公式アプリをダウンロードしていると非常に便利です。ドイツだけでなくEU内でも使えるそうです。
頻発する遅延や運行キャンセルをリアルタイム確認でき、切符の購入も可能。無駄な不安がぐっと減ります。
公式サイトでも同様に切符の購入や運行状況を確認できます。
ミュンヘン近郊の列車ではゾーン制料金システムを採っており、中央駅を中心にいくつものゾーンが設定されていて、そのゾーンをいくつまたぐかで値段が設定されています。ゾーン制の切符を買うと、Sバーン、Uバーン(地下鉄)、トラム(路面電車)、市バスに乗車できます。
1日乗車券を買うと、ゾーン内でのそれらすべての乗り物が1日乗り放題です。
ミュンヘン市内での移動
ミュンヘン滞在中は、「グループデイチケット(2~5名グループ用1日乗車券)」を毎日買っていました。
2人で使用する場合でも「シングルデイチケット(1名用1日乗車券)×2」を買うより安く、例えば一番近いゾーンのチケットは、1名用1日乗車券:9.20ユーロ、2~5名グループ用1日乗車券:17.80ユーロでした。※2024年4月末時点
アプリやサイトなどのオンラインでも1日チケットは買えるのかもしれませんが、旅行中はずっと券売機で購入していたので、オンラインで1日チケットが買えるかどうかは未確認です。
Sバーンの片道チケットはアプリやサイトから購入できます(こちらは確認済み)。
ミュンヘンからフランクフルトへの移動
ミュンヘンからフランクフルトは、ICEで3時間20分ぐらいです。ICEはドイツの主要都市を結ぶ新幹線のような高速鉄道です。
チケットは公式アプリや公式サイトなどから事前購入すれば、便によって超格安(50~70%OFF)でゲットできます。また料金を払えば座席の指定も可能です。
ただし、「超格安チケット」を購入した場合は、その度合いに応じて、払戻しや変更ができなかったり、1stクラスのチケットを持っていても駅のDBラウンジは利用できないなどの制約があるので注意です。
この日のICEも15分遅れで目的地に到着。
長距離列車を利用するときは、公式アプリや公式サイトでちょこちょこウォッチしておくことが大事です!
トラブル発生!「あなたの予約した列車は運行キャンセルになりました」
フランクフルト発ケルン行きICEに乗車の朝、DBアプリを確認してみると「あなたの予約したICE●●便は運行キャンセルになったので、別の便ICE▲▲に乗ってね」というお知らせが届いていました。
また、「指定席は引き継がれないので、新しい便でも指定したかったら新たにどうぞ」とのこと。
ちょっと待って!
全員が同じ便に振替えられたとしたら、席に余裕はあるの?
というか、すでに支払い済みの指定席料金(2人で約12ユーロ)はどうなるの?
窓口で聞いたら、「支払い済の指定席料金から充当はしないので、振替え便の指定席を取りたければ新たに取り直すように」と、アプリ内にあったメッセージと同じ説明をされました。
そして「指定席料金は、書面で返金手続きをしたら数週間で返金するよ」と書類と封筒を手渡されました。ゆ、郵送…?
切手部分を訳すと「クリアにしてください(Please clear)」とあって、切手が必要か不要かすら分からない。
「乗車料金」ならば公式アプリから返金手続きができるようですが、「指定席料金」についてはどうやら書面でしか受け付けてもらえない様子。
ぐぬぬぬ……。
手間と返金額を天秤にかけて、指定席料金約12ユーロは忘れることにしました。
ちなみに後でネットの書き込みを見ていたら、5年前に同じケースで返金か振替便の座席に変更かを選べた、という方もいました。昔はできたのかもしれないし、当たった駅員さんが悪かったのかもしれないし、超格安チケットの制約のせいかもしれない。
でもまあ、振替えられたICEとの時間差は20分程度だったので大きなロスタイムもなく、指定席は不要なほど空いていたから、癪に障るけどいったんよしとするか…
ホテルは「ヒルトン ミュンヘンシティ」
ヒルトンを選んだ理由
長いフライトの後に泊まるホテルになるので、利便性が高くて不安要素の少ないホテルでゆっくりしたかった、というのと、単純に「日本人に人気のヒルトンってどうなん?」「ヒルトンに泊まってみたい!」というのが動機でした。
ちょいと割高やけど、駅やスーパーが近くにあって、中心地から程よい距離で比較的治安も良さそう!
ホテル予約サイトで価格や条件をチェックして、今回はExpediaから予約しました。
ヒルトンミュンヘンシティの良かったところ
フロントの方はフレンドリーだけど馴れ馴れしすぎないちょうど良い距離感の接客で、お部屋の清掃も行き届いていて、さすがという感じ。
同ホテル内で最安ランクのお部屋タイプのようでしたが、広々としていてとても快適に過ごせました。
部屋全体がスタイリッシュ。入った瞬間ヒルトンの貫禄を感じました。
バスアメニティはしっとり系ではなく、特に夏に良さそうな爽快に洗いあげるタイプでした。Crabtree & Evelyn(クラブツリー&イヴリン)の「VERBENA and LAVENDER」という商品だそうです。
部屋の備品については、公式サイトから「宿泊予約」→宿泊予定の部屋の「客室の詳細」をクリックするとざっと確認することができます。
ホテル近辺の治安も悪いと感じませんでした。夜はうるさくなかったです。
ヒルトンミュンヘンシティのあまり良くなかったところ
近隣のホテルの1.5~2倍の値段だったので、逆に目が厳しくなってしまいます
①洗面所びちょびちょ必至
バスタブがある部屋だとまた事情が異なるのかもしれませんが、この部屋はシャワールームのガラスの仕切りが半分しかなく、洗面所入口がびちょびちょになりました。そうならないようせせこましくシャワーを浴びたんですが、それでもびちょびちょは避けられず…
まあ、バスマットで拭けば良いんですけどね。
②運悪く地の利は生かせず
駅やスーパーが近くにあったことがホテル決定の大きなポイントだったんですが、
残念ながらその地の利の恩恵はあまり受けられませんでした…
ドイツの鉄道はサービスが不安定なことで有名なんですが、滞在中も運悪く最寄り駅を含む区間の路線が数日間全日運休という状態でした。空港から電車一本で辿り着いてホテルエントランス直結の予定だったのに、一つ手前のミュンヘン東駅で降ろされてトラムで乗継いで行くことに。
ヒルトンは何も悪くないんやけども…、JRのような主要な鉄道がまさかずっと運休しっぱなしとは思わへんやん?
でもまあ、ミュンヘン滞在中はずっと天気が良かったし、徒歩10分圏内に地下鉄・トラムの駅やバス停が複数あるので、どうにでもなりました。むしろ色んな乗り物に乗れて楽しかったり。
また、ドイツではスーパーやデパートを含め、街の多くの小売り店は完全に日曜定休で、ホテル前にある2軒のスーパーも当然お休み。
日曜は2ユーロ以下のミネラルウォーターを見付けるのもやっとでした。
ちなみに、5月1日(水)のメーデーは移動日に充てていたので実際のミュンヘンの様子は分からないですが、メーデーについて外務省からデモの注意喚起が出ていたりしたので、通常の平日の営業状況とは異なる可能性があります。
③気を抜いているとちょこちょこ支払い額が増える
さりげなく室内にボトルの水が置かれていたり、当然のように朝食会場を案内されたりしましたが、どちらも料金に含まれていないので注意です。
チェックイン時に150ユーロのデポジットを支払わされたので、知らずにうっかり飲み食いしてチェックアウトしても後からしっかり引かれます。
しかしその辺り、ヒルトン・オナーズ会員になると優遇される部分もあるようです。
ヒルトン・オナーズ会員登録の検討
ヒルトンの会員になるとお得なことがあるよ、と聞いていたので、事前にざっと調べていました。
ヒルトンアメックスのクレジットカード(年会費16,500円~)を持つか、ヒルトンホテルの宿泊回数条件をクリアすることで、ヒルトン・オナーズ会員ランクが与えられて上記を含む色んな特典を受けられるそうです。
一番下のランクのメンバーには登録するだけで無料でなれるので、今後宿泊する可能性があるなら登録だけしておいても良いかもしれません(ボトルウォーターや朝食は、無料登録だけではいただけません)。
ですが、YOSHI家はホテルでゆっくりする習慣がなく、朝食も抜くことが多いので入会を見送りました。そして今後もいろんなホテルに宿泊していきたいので無料の登録も見送りました。
ミュンヘン滞在中に訪れて良かった場所(混雑具合など)
場所の紹介の前に、便利だったアプリを紹介しておきます。
観光で役立ったアプリ「Googleレンズ」
観光する際は、博物館の説明やレストランのメニューなど、カメラをかざすだけで翻訳してくれるGoogleレンズが便利でした(iPhoneはGoogleアプリ内に「Googleレンズ」があります)。
ただし使用中は電力をモリモリ消費するので、バッテリーは持参した方が良いです。
Google アプリ
Google無料posted withアプリーチ
①レジデンツ博物館
1918年までバイエルン王家の居城だったレジデンツが、博物館として公開されています。マリエン広場からも近いです。土曜の11時頃でしたが、待ち時間数分で切符が買えて入れました。
②ドイツ博物館
自然科学と工業技術の博物館。土曜日でしたがさほど混雑しておらず、どの展示も待ち時間はほぼなしで見ることができました。ドイツ人の子供連れ家族がほとんど。展示らはドイツ人の愚直さやまじめさが感じられます。
③BMW博物館とオリンピック公園
BMWといえば自動車の印象が強いですが、もともと航空機用エンジンメーカーとして創業し、戦後に航空機の製造が禁止された後、バイク、自動車の順に開発・製造を始めたそうです。
日曜午後に訪れた時には多くの家族連れがいましたが、チケットはすんなり買え、博物館は待機列がギリギリできない程度の混雑具合でした。展示のバイクは乗ることができるものもあり、子供たちや、子供のように目を輝かせたおじさんたちが、嬉しそうにまたがっていました。
BMW博物館の隣りには、1972年のミュンヘンオリンピック会場跡を利用したオリンピック公園があります。敷地内に立つオリンピック塔の展望台からは、市内からアルプス山脈まで見渡すことができました。全然混んでいませんでした。
塔のふもとが工事中だったり、Googleマップの情報では営業していないように見えましたが、オリンピア湖の方に回り込んでみると入口がありました。
④ダッハウ強制収容所
ナチスによるドイツで最初の強制収容所。パネルでの説明や写真、復元されたバラックなど、かつての生活が生々しく説明されていて、心にずっしりと来ます。
日曜の午前中、読みたいパネルを順に読めるぐらいのちょうど良い混雑具合でした。入場は無料で、日本語オーディオガイドはありませんでした。
⑤ノイシュヴァンシュタイン城のバスツアー(アウトバーン体験)
ノイシュヴァンシュタイン城は行きにくい場所にあるので日本語ツアーを利用してみたのですが、めちゃくちゃ良かったのでYOSHI家が利用したツアーのリンクを貼っておきます。
(日本語ガイド)ノイシュヴァンシュタイン城と世界遺産ヴィース教会1日観光(HISサイト)ノイシュヴァンシュタイン城はその成り立ちも美しさも別格です。馬車やシャトルバスもありますが混雑していたので、40分の坂道を徒歩で上り下りする覚悟を持って臨んだ方が良いです。
城内見学する/しないは選択可能なので、希望に応じて確認が必要です。日本語音声ガイドがあります。
立ち寄ったフュッセンの街やヴィース教会もおとぎ話の世界のようでとても素敵でした! ガイドさんのお話が勉強になるわ面白いわで、今でも心に残っています。
また、バスツアーになるので、ドイツ名物のアウトバーン(高速自動車国道)を利用できます。
多くの区間で速度無制限(推奨速度130km/h)ですが、ほとんどの車両は100~150km/hで走行していたように思います。とはいえ130km/hでぶっ飛ばすバスはかなり速く感じました。
⑥ホフブロイハウス (Hofbräuhaus München)
いくつか回ったビアホールの中でここが一番好きでした。マリエン広場からも近いです。日曜の19時半ごろ、満席に近かったけれど何とか座れました。
陽気な雰囲気で、店員さんも良いタイミングで声を掛けてくれて、提供スピードも速い。夜でも白ソーセージが食べられます。
⑦ヴィクトアーリエンマルクト (Viktualienmarkt)
1807年から続くミュンヘン最大の野外市場。マリエン広場からも近く、安くて美味しい南ドイツ名物を味わえます。
土曜日の13時過ぎ、この日は天気が良かったので大混雑していましたが、店を選ばなければ席の確保は可能でした。日祝休業。
⑧ケーニヒリッヒャー・ヒルシュガルテン (Königlicher Hirschgarten)
シカがいる公園内にあるビアガーデン。天気が良い日は最高です。
ミュンヘン中央駅からは少し離れていますが、広いし混雑度合いも低いので、日曜13時頃でもドイツの雰囲気を味わいながらゆっくりできました。
まとめ
バイエルンの州都で、ベルリン、ハンブルグに次ぐドイツ第3の都市ミュンヘンでしたが、イタリアや日本の観光地と比べてどこもさほど混雑しておらず、ゆったりと自分たちのペースで楽しむことができました。
ドイツは緯度が高いからゴールデンウィーク頃は日が長いです。20時頃にようやく夕方のような雰囲気になるので、うっかりしているともうこんな時間!ということになります。逆に秋~冬は日が短くてびっくりするんだと思います。
また、ドイツの人々はフレンドリーで親切でまじめな印象でした。駅員さんや店員さんなど、さまざまな困った局面で声を掛けてくださったり、理解できるまで説明してくれた経験が何度かありました。
ミュンヘン東駅のグランドスタッフのおじさん、私の英語が拙すぎて言い淀んだとき「不安なことがあるなら、下手でも間違ってても良いから何か言ってみて!分かるまで説明するから」と言ってくれて泣きそうになりました。
そして、イタリア旅行の時と違って絶望的なお手洗いに当たることがありませんでした。これはミュンヘンだけでなくドイツの他の都市でもそう感じたので、最後に付け加えておきます。
コメント